こんな風邪らしい風邪を引いたのはいつ以来だろう。
会社を早退した。
朝のうちに「あ、これ熱あるな」と思い、体温計を手にしたが、電池が切れていたので葛根湯を箱の裏に書いてある2倍飲んで会社に行った。
背中が痛かった。
どうにもならんので、グリーン車に乗って寝て通勤した。
午前のうちに再度葛根湯を2倍量お湯に溶かして飲んで、ごまかしたが、お昼休みになってもよくなる気配はなかった。
飲みの予定もあった金曜日。
私は何としてもその日を遂行したかったが、全然よくならないので、あきらめて「めちゃめちゃ体調が悪い・・・どうしよう・・・」と同僚に放ったところ、「早く帰りなよ!!!」と言われた。
そりゃそうだ・・・。
全方向から「早く帰って、後は大丈夫」と言われた。
私は出向している身なので、クライアント先のやさしさに胸打たれた。
超零細企業の自社では「明日は這ってでも来てね」という指令が冗談半分で出されたりするので、とても新鮮だった。
みんなの優しさに、少し涙しそうになった。
自由にやらせてもらっているので、スキルなんて何も身に着かないけど、こういった「いい会社の教え」みたいなのは学べているので、人間的にはとても成長していると思う。
気づきが多く、いいひとが多い。
人に寛容であれ。
これはとても大切なことで、仕事だけが相手の生活のすべてではないと想像すること。
それができるようになるには、本人が仕事以外の時間を楽しんだり、大切にしていないと出来ないことだと思った。
私は仕事を頑張って稼ぎたいと思っていたが、仕事だけ頑張っても、人に寛容になることや人を尊重することは難しいんじゃないかなと思うようになった。
仕事は人生において、そんなに大事なことじゃないんじゃないか?とまで、最近は思う。
と、まあ、そういった考えを巡らせる余裕もなく、目的地、自宅に向かって帰宅した。
同僚に「病院行きなね」と言われたので、おとなしく病院に行った。
風邪をひいて病院に行くのは、大人になって初めてなような気がした。
たかが風邪ごときで、病院代を払うのはコスパが悪いと思い込んでいたし、風邪に効く薬はないと聞いて、だったら病院に行く必要ないじゃんと思っていた。
待合室で順番を待っていたら、幼いころの記憶がよみがえってきた。
母親は私が風邪をひいたときには病院に連れて行ってくれた。
あの時の待合室の感覚を思い出した。
学校を休んだという事実に罪悪感を覚えつつも、非日常でなんだかワクワクしていたように思う。
母親は「風邪をひいたら病院に行く」という教えをさりげなく教えてくれていたのに、30歳になるまでまともに自身で再現したことはなかった。
ちょっとだけ反省した。
帰宅してからは、泥のように眠った。17時になる前から、夜ご飯を抜き、朝10時までほとんど寝て過ごした。
驚愕である。
汗が止まらず3回ほど着替えた時点で替えがなくなり、旦那さんにパジャマを借りた。
食欲がなかったので、一生懸命ポカリを飲んだ。
これさえあれば・・・!という謎の信頼である。
相変わらず寝っぱなしで、一体私どうなっちゃうの~~ってくらい寝てるんだけど、これってどういうことなんでしょうか?
ちゃんと明日会社に行けるか不安です。
無理そうだったら、今度は会社を休もうと思います。